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銀粒仁丹ストーリー

今も昔も健康を願う森下仁丹の心は同じ「仁丹」誕生のころも今このときも、最先端を追求しています。森下仁丹の原点ともいえる総合保健薬「仁丹」が誕生したのは、日露戦争のさなか、1905年(明治38年)2月のことでした。

ひたすら人々の万病を癒す目的のもと

初期の手揉製丸機

初期の手揉製丸機
1905年から昭和初期まで実際に使われていたもの。
少しずつ押し出した材料を手作業で丸くするため、製丸士は熟練を要し、非常に高い給料だったということです。

明治半ばの日本は、医療の貧しさから風邪や食あたりでも命を落とす人が多くありました。

そこで森下仁丹創業者である森下博は、万病に効果があって飲みやすく、携帯・保存に便利な薬は作れないかと考え、新しい総合保健薬「仁丹」の開発に着手したのです。

ヒントになったのは1895年(明治28年)、日清戦争後に台湾に出征した博が目の当たりにした、現地で常用されている丸薬でした。帰国後、博はまず大阪の道修町(どしょうまち)に通いつめ、知識と経験を生かして和漢の生薬原料を取り寄せたのです。

日本はもちろん、世界の人々に幾百年も愛され続ける商品を―。
その思いで原料の品定めから取り合わせ、調合法まで工夫に工夫を重ねました。
さらに当時の薬学の権威からアドバイスを受け、三年の歳月をかけてようやく仁丹の処方を完成させることができたのです。 主要な成分は甘草(かんぞう)、阿仙薬(あせんやく)、桂皮(けいひ)、和桂皮(わけいひ)、茴香(ういきょう)、生姜(しょうきょう)、丁子(ちょうじ)など十数種類。道修町の生薬問屋から選りすぐった、最高品種ばかりでした。

  • 創売当時の容器(明治38年)創売当時の容器(明治38年)
  • 森下博薬房店舗(明治40年)森下博薬房店舗(明治40年)

一途な思いから生まれた「仁丹」は人々の手に

1904年(明治37年)、丸薬製造のメッカとして知られていた越中富山へ、博は単身で赴きました。大量生産の丸薬製造方法を学び、優秀な製丸士を採用することが目的。何日も泊り込み、何軒もの丸薬製造会社を実地見学し、製丸機を試しました。そして一ヵ月、博はついに最新の製丸機とすぐれた製丸士数名を引き連れて帰阪。道修町の店舗内でいよいよ本製造を開始することとなりました。

最初の仁丹は粒の大きな赤い丸薬でした。携帯性・保存性を高めるため表面をベンガラでコーティングし、「赤大粒仁丹」として完成させ、1905年(明治38年)2月11日、ついに発売にこぎつけたのです。

以後、日本初の特売や景品贈呈といったユニークな販売方式で販路を拡大。突き出し屋根看板やのぼり、自動販売機の設置や、新聞全面広告の連日展開などで、仁丹は発売後わずか2年で当時、販売されていた薬の中で、売上高一位を達成しました。多くの人々の健康に役立つ、本当に喜ばれる丸薬をつくりたい―。森下博の夢は、ここに大きく実を結んだのです。

銀粒仁丹の原料となる生薬

銀粒仁丹の原料となる生薬。現在は16種類を配合。

変わらない「仁丹」、それは新時代の技術へ。

生薬原料の粉砕、加工、製丸、乾燥、コーディング、さらに検品と一貫した機械化工程で製造。確かな品質はもとより、美しい銀粒の形状にも徹底してこだわり、愛される「銀粒仁丹」の歴史と誇りを守り抜いています。

現在の容器 仁丹瓶入

当初「赤大粒仁丹」だった「仁丹」は、昭和期に入って「赤小粒仁丹」を生み(1927年)、2年後には「銀粒仁丹」に進化しました。(1929年)

誕生から百年以上を経た今も、厳選された生薬からつくられる 「仁丹」は、創業者森下博の願いどおり、変わることなく愛され続けています。

現在、機械化された工程から生産されているのは、1929年以来およそ90年の歴史を持つ「銀粒仁丹」です。

甘草(かんぞう)、阿仙薬(あせんやく)、桂皮(けいひ)、茴香(ういきょう)、生姜(しょうきょう)、丁字(ちょうじ)、甘茶(あまちゃ)など生薬は良品を厳選。それら原料を微細に粉砕したものを製丸機に掛け、熟練工の手によって粒の大きさや丸みを調整しています。機械化されたとはいえ原理は創売当時とまったく同じ方法。さらに均一な粒は4日間という時間をかけじっくり乾燥させ、味を壊さず芯まで乾かしていきます。形状の選別や、異物の検知などを経て、合格したものだけを銀箔でコーディング。厳しい品質管理のもとで、1粒の「銀粒仁丹」が出来上がるまでに、およそ8日という時間を要します。多くの工程を機械化してもなお、手間ひまのかかる製品なのです。

そして「赤大粒仁丹」「赤小粒仁丹」「銀粒仁丹」で培ったコーティング技術や生薬成分の研究は、ともに発展を続け、いまや最先端の「シームレスカプセル技術」、生薬をはじめ天然素材を生かした製品づくりへとつながっています。

※現在、販売されている「仁丹」は、気分不快、口臭、二日酔い、宿酔、胸つかえ、悪心嘔吐、溜飲、めまい、暑気あたり、乗物酔いに効果があります。本ページにおける製品の効能効果にふれた個所につきましては、あくまで当社の歴史に基づいて記載したものであり、現行製品のものではありません。